事例に学ぶブランド戦略

草間淳哉

2019年05月06日 22:14

どんな人でも、どの道を極めるにしても通る道が、自分の業界の教科書を読むということ。
僕はブランディングを生業にしているので、この業界の教科書といえば「ブランド戦略論」

amazonではこのように紹介されています。
理論、戦略、実践、事例と包括的にブランドをとらえつつ、具体的なポイントも示し、実践的な内容を含めてまとめ上げられた、日本初の本格的体系書。ケースを豊富に盛り込み、いきいきと解説する。ビジネスパーソンやマーケターのバイブルとなる一冊。





先日、この「ブランド戦略論」の著者である田中洋さんと「事例に学ぶブランド戦略」(主催:フジオクリエイションコミュニティ)というセミナーイベントで一緒に登壇させていただきました。



田中さんは一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会の顧問をされていて、以前から知っている方。
お話をさせていただくと、気さくで、人格人徳が伝わってくる方です。
田中洋(ウィキペディア)

さて、この「事例に学ぶブランド戦略」の内容について、自分自身への備忘録も含めてまとめておきたいと思います。


メインテーマはスモールビジネスのブランド戦略


ブランドと言うと大手のブランドが思い浮かばれる方が多いかもしれません。
ですが、当然スモールビジネスでもブランド戦略は非常に大事な戦略となっています。

ローカルで、スモールビジネスで、に焦点をあてたブランディングに関するセミナーはあまり多くありません。
さらには日本のブランディングに関する第一人者が登壇されるわけですから、一緒に登壇させていただく僕が一番ワクワクしていたかもしれません。

田中さんも僕も、事例を元に話をさせていただきました。
結局事例が一番わかりやすいんですよね。

具体的に、どんな環境で、どんな課題があり、どうブランドを構築してきたのか。
流れをつかめると自社に落とし込みやすい。

参加者の方々は比較的ブランディングやマーケティングへの意識が高い方々だったと思いますが、改めて体系的に自分の中に落とし込みつつ、事例でさらにイメージが明確になり、自分の事業もしくはクライアントワークへの展開の糸口が見えたのではないでしょうか。


ブランド戦略とは


ブランドの定義に何か一つの完全なる正解はありません。
いろんな方が定義していますが、今回のこのセミナーでは、
ブランド=お客様の頭の中に自然とできた企業/商品に対する勝手なイメージ(妄想)
という定義で進めました。

ブランド活動とは、「妄想を意思をもってつくる活動」。
ブランドの本質は、商品や企業に関する「認知システム」。

そしてブランド戦略は、単に「ブランドイメージ」を良くするというだけに留まらず、ビジネスをどう成功させていくのか、その全体戦略に関わっています。
ブランド価値を高めるため、そして商品・サービスが売れる(売れ続ける)ための前提条件をつくりだすのがブランド戦略です。


スモールビジネスのブランド戦略の特徴


スモールビジネスでは、大きな予算があるわけではなく、その代り大きな市場を狙う必要がありません。
大事なのはこの3つ。
①限られた顧客層(ターゲット)
②明確なブランドテリトリー=限定された独自市場
③インターナルブランディングの必要性

どこにどのようにしてブランド構築するのか。
ブランド戦略は当然経営戦略と統合していくわけですから、限られたリソースの中で収益を最大化させる必要があります。

商圏を狭くして、徹底的にそのテリトリーでNo1になる。
こういった戦略も、ローカルやスモールビジネスでは大変有効な戦略になります。


まとめ


事例はワークスマイルラボ(石井事務機センター)、カチタス(群馬県桐生市)、でんかのヤマグチ(東京都町田市)、オーディオ買取屋(長野県松本市)、中松屋旅館(長野県上田市)の5つ。
ユニークなブランドテリトリーを見つけ出し、徹底的に最大化させることでスモールビジネスでも大きな収益を出すことができます。
スピードも大事。
スモールだからこその身軽な足の速さを活かし、負けない経営、戦わない経営でローカルになくてはならない存在になっていく企業を増やすことを改めて使命と感じました。



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